COLUMN

コラム

2023.10.24
評価で損しない上司との関わりかた

〇評価で損しない上司との関わりかた

 

 

同じ成果を出しているのに評価が低いのはなぜ。

評価の分かれ目はどこにあるのか?

 

同僚と同じ成果を出しているのに、なぜか同僚よりも低く評価されているように感じる。自分では一生懸命やっているのに、上司が評価してくれない。そんな風にモヤモヤすることはありませんか。そうした方は仕事の成果以外で損をしている可能性があります。今回は「評価で損をしない」ためのポイントをご紹介します。

 

まず、どのような人が評価で損をしているのか考えてみましょう。たとえば、以下の二人は同じプロジェクトを任され、同じ成果を出したのですが、評価で差がつきました。より高く評価されたのはどちらでしょうか。

 

(Aさん)

プロジェクトの過程で、上司に「今、このような状況です」「ここが難しいですね」「何とかなりました」といった、ちょっとした報告を挨拶のように逐次行っていました。

 

Bさん)

プロジェクトでやるべきことは十分理解しているし、特にトラブルがあるわけでもないので、上司に状況を逐次報告することはありませんでした。忙しい上司の時間を割くような報告は必要ないと考えていました。

 

二人ともプロジェクトを成功させました。異なるのは、その過程で状況を報告したか、報告をしていないかです。さて、どちらが高く評価されたかというと…Aさんです。Bさんは何も言わなくても仕事を完璧にこなしてくれた優秀な社員と捉えることもできますが、Aさんのほうが評価された理由は主に3つあります。

 

 

評価で損をしてしまう3つの理由とは?

 

  • 上司を不安にさせる振る舞い

マネージャーや上司にとって最も避けたいのは「いざ蓋を開けてみるとプロジェクトが大失敗」という事態です。そのため、プロジェクトがどのように進行しているか、どんな状況であるのかを把握しておくことを重視しています。つまり上司が一番欲しい情報はプロジェクトの進捗状況です。Aさんは、そうした状況の共有を自然と行うことができていました。一方で、Bさんは状況共有が一切ありませんでした。結果としてプロジェクトは成功しましたが、その過程において上司はAさんに安心感を抱き、Bさんには不安を募らせていました。知らないうちにプロジェクトが取り返しのつかない事態になっていたというは上司にとって絶望でしかありません。そんなリスク回避のための行動をBさんは出来ていなかったことが評価の分かれ目になりました。

 

  • 自分の個性を伝えることができていない

Aさんは「どこが難しいか」ということも正直に報告しています。「ここは得意なので問題ありません、でもここは苦手な分野なので手こずっています」というように、長所短所といった自分の個性をさりげなく伝えています。一方でBさんは何も言わないので、どこに長所短所があるかを把握できません。こうした違いも評価に影響します。上司にとって部下をサポートすることは重要な役割のひとつです。相手の得手不得手や長所短所などの個性を把握できれば、必要なサポートが考えやすくなります。でもBさんにように個性が見えないと、どうサポートすればいいのかを判断しづらいのです。

また、短所や弱点を知っていれば、どのようにそれを乗り越え、工夫したのかという過程が見えやすいです。いわば努力の跡が分りやすく、それも評価の材料になります。一方でBさんは努力が見えづらく損をしています。

 

  • チーム意識の欠如

何も言わなくても仕事を完璧にこなしてくれるBさんのような社員は、もちろん上司や会社にとって有難い存在です。しかし、そうした社員が評価されるのは技術面などの一部分に限られてしまいます。なぜなら会社という組織に所属しているとき、仕事は個人で完結するわけではないからです。今回のようなプロジェクトであれば、複数のメンバーからなるチームで進めることになります。個人のスキルも重要ですが、個人の視野には限界があります。個人を超えた複合的な要素が必要であり、それをメンバー間でコミュニケーションを取りながら共有していくことが成功のカギとなります。簡潔にいうと、自分だけで頑張ろうとするよりも、互いにアドバイスや手助けをしたり、自分が気づいていなかったことを相手に指摘してもらったりするほうが、成果につながるということです。Bさんは、こうしたチームに必要なコミュニケ―ションや行動がなく、チーム意識が欠如している点も評価を下げたと言えます。

 

 

 

ちょっとしたコミュニケーションが評価を高める。

2つのポイントを心がけよう!

 

評価で損をしてしまう理由が分れば、自ずと対策が見えてくると思います。最も重要なポイントは「認識や状況の共有」です。そのための行動をまとめておきましょう。

 

  • 「こういうことですよね」という確認作業を

仕事を指示されたときに、分からないことがあれば必ず確認するようにしましょう。理解していないのに、自分の想像に任せたり、不安を抱え込んだまま進めたりすることは避けるべきです。立場の違う上司が部下の目線で完璧に説明できることなんてありえないのだから、分からないときは「自分だけが悪い」と悩むことはありません。互いに視野が違うのだから認識がずれるのは当たり前。そのズレをなくすために簡単なコミュニケーションを行えばよいだけです。難しい質問は必要ありません。「こういう理解で合っていますか」「こういうことですよね」と確認するだけで認識の共有が行えます。

 

  • 簡潔な報連相(ほうれんそう)を定期的に

仕事が進めば「報連相(ほうれんそう)」を怠らず行いましょう。ただし、忙しい上司にわざわざ時間を取ってもらい状況報告をする必要はありません。「ちょっと、2分だけよろしいですか?」というように時間を取らせませんと伝えた上で、「あの件、今こんな感じで進んでいますよ」「順調ですよ」「このあたりが難しいので、こんな風に進めていいですか」というような報告や連絡、相談などをこまめに行うだけで十分です。要は、仕事の進捗がどのようなものか、どこかで躓いていないか、間違った方向に進んでいないかを、上司が判断できるような必要最低限の情報を伝えることが大切です。報連相は上司と部下が同じ景色を見るためのきっかけになります。それだけで上司は安心ができ、部下への評価を高めます。

 

 

最後に

 

ポイントが分っても、自分は口下手やコミュニケーションが苦手でうまく出来ないと感じる人もいると思います。その苦手意識は、実は自分を良く見せようという気持ちの裏返しからくるもの。うまく説明しないと評価されないではないか。わかりすい質問じゃないと受け付けてもらえないのでは…。そんな思いが空回りさせているのかもしれません。でも上司が求めているのは伝え方の上手さではなく、正確な情報です。どんな伝え方でも大丈夫。状況を知ってもらうことが必ずプラスになると思って、上司に気軽に声をかけてください。

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