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産業医に何を頼めばいいのか?

産業医


5月7日、厚生労働省のウェブページで「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」と「ストレチェック制度 Q&A」が公表されました。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/

この実施マニュアルにも「12 その他の留意事項」に”産業医等の役割”に関する次の記述があります。( )は亀田の補足です。
①ストレスチェックの実施
②面接指導の実施
③(就業上の配慮に関する)医師の意見聴取(事業者への意見具申)

厚生労働省によると産業医はストレスチェック制度で中心的な役割を担うとされていますから、自社で選任している産業医に、この制度が開始される12月を目途に、これらの役割を頼めるのかを尋ねておく必要があります。

①ストレスチェックの実施とは

ストレスチェックの実施とは、言い換えれば、本制度の実施者になってもらえるかということです。
具体的な実施者の役割には、57項目の職業性ストレス簡易調査票か、23項目の短縮版にするのか、どの質問を選び、”高ストレス状態”をどの点数からにするのかを、会社側(事業者)にアドバイスすることが含まれます。また、一人一人の記入・入力結果を見て、”高ストレス状態”であるのかどうかを評価し、医師の面接指導が必要がどうかを判定する作業もあります。加えて、一部の大手企業等を除いて、多くはストレスチェックを外部機関に委託することになるでしょうから、その機関にいる医師等の専門家と協力して対応することが期待されます。これを共同実施者と呼びますが、こうした対応をお願いしてみるのです。

②面接指導の実施とは

面接指導の実施とは、医師が”高ストレス状態”と判定された人と会って話しをすることです。
これは時間外労働時間が多い、いわゆる過重労働によって疲労の蓄積が著しく、かつ本人の希望があった場合に、これまで行われたきたはずの医師による面接指導とほぼ同様の内容です。職場側から、事前に仕事や職場の関する情報を産業医に提供します。そしてプライバシーが保たれる環境で、例えば30分程度の時間を割いて、”高ストレス状態”であった従業員に対して、産業医が勤務、ストレス、心身の状態を確認します。必要だと判断すれば、睡眠やお酒等への助言(保健指導)をしてもらい、不調があるとわかったら、精神科専門医に紹介してもらうことになります。

③就業上の配慮に関する意見

これは一般定期健康診断結果判定や先の過重労働の面接指導でも同じです。要するに、そのまま働いていても大丈夫か、残業や出張を制限する必要があるか、あるいは療養のために休まなければならないかを、産業医は会社に意見することになります。選任後、既にそうした実績があれば頼みやすいでしょうし、新しく選任する場合にはそうした経験が十分にあるのかを尋ねてみるとよいのです。
多くの産業医は精神科医ではありませんし、産業医そのものが専門でもありません。そうした場合にストレスチェックのようなメンタルヘルス対応を頼む場合には、専門外であっても従業員に会って、Ⓐ専門医へ紹介が必要かどうかを”評価”し、Ⓑ受診する必要があれば”紹介状”を書き、Ⓒ働くことができるかという”説明”をしてくれればよいのだけれどと、ざっくばらんに頼んでみると良いと思います。
なお、厚生労働省によれば、ストレスチェックを受けた人の10%程度が”高ストレス状態”と評価されるようですから、それを見込んで、産業医の訪問の回数や時間を増やす必要があれば、その分の報酬も検討しながら話し合うと良いでしょう。

メンタルヘルス対策の第一人者
医師 亀田高志氏とは?

旧労働省により創設された産業医科大学を1991年に卒業後、大手鉄鋼会社や外資系企業の専属産業医、産業医科大学講師等を11年間務める。
その後、2006年10月に産業医科大学と共に「職場の健康管理を起点とするサービスを企業と働く人の両方に届けていくこと」を目的とした株式会社産業医大ソリューションズを創設し、同社代表取締役を2006年10月から2016年5月まで務める。

また、日本産業衛生学会指導医、日本内科学会認定内科医、労働衛生コンサルタント等の資格を持ち、EAPコンサルティング普及協会理事でもある亀田氏は、職場の健康確保対策を専門とし、この10年間で、メンタルヘルス等に関する講演、研修の実績は計1,000回以上、参加者は延べ3万人を超える。

その他、主な著書に「管理職のためのメンタルヘルス・マネジメント」、「ゼロから始めるストレスチェック制度導入マニュアル」、「人事担当者のためのメンタルヘルス復職支援~リスクを最小化するためのルールとステップ~」(以上、労務行政研究所)等があり、その他、連載寄稿も多数行っている。

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