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企業担当者向け

ストレスチェック2年目に入る前に産業医との対話を

ストレスチェック制度の実行状況はあまり芳しくない

ストレスチェック制度は現在、厚生労働省によるメンタルヘルス対策における重点対策となっています。しかし、その実行状況はあまり芳しくないようです。

例えば、労働基準監督署から未だにストレスチェックの定期報告が出されていない企業や事業場に、3月初旬現在、実施状況を訪ね、その報告・提出を求める書面が送付されています。

平成29 年までにメンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上に

厚生労働省は昨年41日に厚生労働省労働基準局長による通達(基発0401 72 号)を公表しています。その中で、第12 次労働災害防止計画における「平成29 年までにメンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上とする」という目標達成を強調しつつ、ストレスチェック制度の履行とその確保を最重点課題とする方針を示しています。

そして、企業等に対して、あらゆる機会にストレスチェック制度を周知しつつ、ストレスチェック制度の内容や実施方法に関する集団での指導や個別指導を行うこととしています。さらに、実施報告の無い企業や事業場には、監督指導として、その実施の有無等について確認し、必要な指導等を行うとしています。

先のような書面が送付されているのはそうした背景があるものと解釈することができます。

ストレスチェックに関する実施報告を怠った場合には労働安全衛生法に基づき50万円以下の罰金

また、ストレスチェックに関する実施報告を怠った場合には労働安全衛生法に基づき50万円以下の罰金を科せられることになりますので、注意が必要です。

もしも、「未だに実施していない、困った・・」ということであれば、あきらめずに、まずは大まかな実施計画を立て、実施者の選任やその後の流れ等から検討していきましょう。今からでも、ストレスチェック外部機関に相談してみてもよいかもしれません。

ストレスチェック制度は2年目に突入し労働安全衛生規則の改正が行われる

さて、そうしたタイミングでストレスチェック制度は2年目に入っていきます。そのタイミングと前後して、2月末の第100回労働政策審議会安全衛生分科会で、厚生労働省内部で行われてきた「産業医制度の在り方に関する検討会報告書」(201612月末)に基づいて、今年61日に労働安全衛生規則の改正を行い、産業医に求める職務の一部変更が行なわれる見込みになりました。

労働安全衛生規則の主な変更点は以下の通りです。

  • 産業医が毎月1回行うとされている作業場等の定期巡視を事業者の同意を前提として、2ヵ月に1回でも構わないことに変更する。但し、衛生管理者が毎週1回以上、作業場等を巡視した結果と衛生委員会等の調査審議を経て提供する関連情報をその産業医に渡していくことが前提となる。
  • 健康診断を経て、就業上の措置等に関する意見具申を行う際に、産業医がその働く人の業務に関する情報を求めた場合にはそれを提供することになる。
  • いわゆる過重労働を行った働く人に関して、 その氏名と超過した労働時間に関する情報を都度、速やかに産業医に提供しなければならない。

これらの変更点は産業医の出務の際に実際に依頼する職務内容に関係してきます。

最後に・・・

ストレスチェック制度がほとんどの企業や公共団体で2年目に入る段階です。きちんとストレスチェックを実施した企業や公共団体では実は医師の面接指導の実績が低調であると困惑する声が上がっています。

定期巡視の回数を減らす分、捻出できる産業医の出務中の時間に、ストレスチェックにおける高ストレス状態や過重労働後のチェックにおける問題が特定された働く人に対して、医師の面接指導の枠組み以外に産業医の職務の一つである健康相談という形で面接を依頼することも可能です。

4月になったら、以上の内容を、産業医と対話し、より効果的なストレスチェック制度の運営を再考していくのが良いと考えます。

メンタルヘルス対策の第一人者
医師 亀田高志氏とは?

旧労働省により創設された産業医科大学を1991年に卒業後、大手鉄鋼会社や外資系企業の専属産業医、産業医科大学講師等を11年間務める。
その後、2006年10月に産業医科大学と共に「職場の健康管理を起点とするサービスを企業と働く人の両方に届けていくこと」を目的とした株式会社産業医大ソリューションズを創設し、同社代表取締役を2006年10月から2016年5月まで務める。

また、日本産業衛生学会指導医、日本内科学会認定内科医、労働衛生コンサルタント等の資格を持ち、EAPコンサルティング普及協会理事でもある亀田氏は、職場の健康確保対策を専門とし、この10年間で、メンタルヘルス等に関する講演、研修の実績は計1,000回以上、参加者は延べ3万人を超える。

その他、主な著書に「管理職のためのメンタルヘルス・マネジメント」、「ゼロから始めるストレスチェック制度導入マニュアル」、「人事担当者のためのメンタルヘルス復職支援~リスクを最小化するためのルールとステップ~」(以上、労務行政研究所)等があり、その他、連載寄稿も多数行っている。

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