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企業担当者向け

ストレスチェックによって、産業医の職務が変わっていく時代

戦後の産業医の主たる対応課題

現在はメンタルヘルスの要とされている産業医ですが、戦後、高度成長期には伝染病である結核や労災事故における救急対応、職場での曝露から発生する職業病が主たる対応課題でした。

産業医に求められる新たな対応

先に伝えた対応も、バブル崩壊後の経済不況や高度情報化、グローバル化が進むにつれて、職場ストレスや発生する不調者への対応を求められるようになります。同時にいわゆる過重労働を行なった働く人への医師の面接指導もその職務に加わりました。そして、2015年12月のストレスチェックの義務化からその実施者となることや事後措置としての面接指導が職務に追加されています。

このように産業医に求められる職務は、産業構造が変容するにつれて、企業等と働く人の側のニーズに合わせ、厚生労働省の法令指針の改正によって、大きく変化してきました。

そして、安倍首相が主導する働き方改革の中でも産業医の機能の強化が謳われ、その方針に従い産業医の職務について、更なる変更が加えられようとしています。

例えば、産業医が対応する業務が増加していることから、これまで毎月必要とされてきた職場巡視の頻度を、衛生管理者による巡視を通じた情報や衛生委員会で定める情報の産業医への提供を前提として、2ヶ月に1回でも構わないとする方向が示されています。その代わりに、産業医による面接や健康相談の充実が、より重視される見込みです。

加えて、産業医への情報提供として、長時間労働の場合や各種の健診で就業上の措置を要する場合に該当する働く人の情報を、企業等の側から産業医に提供する義務が明示されることになりそうです。

また、産業医の交代の際にはその退任・解任の理由を報告する等の義務が会社側に課せられることになるなど、産業医の独立性や中立性を担保するための方策も検討されています。

産業医に対して、ストレスチェックやメンタルヘルス不調者への対応をなかなかお願いできないという中堅、中小企業は実際には少なくない現状があるのですが、このように産業医の職務は、働く人のストレスやメンタルヘルスの改善のために、より強化されていくことになります。

産業医との対話が必要

こうした点を、企業等の人事総務担当者の方は踏まえて、自社等の産業医との対話を行っていく必要があります。本来、専門的な立場にある産業医側からこうした法改正の動き等の情報提供が行われることを期待したいところですが、現状を考えると難しい面もあります。

そうした場合には、より良質なストレスチェック外部機関や外部専門家を確保し、情報提供を受け、産業医との対話を支援してもらうのが、効果的な方法であると考えています。

メンタルヘルス対策の第一人者
医師 亀田高志氏とは?

旧労働省により創設された産業医科大学を1991年に卒業後、大手鉄鋼会社や外資系企業の専属産業医、産業医科大学講師等を11年間務める。
その後、2006年10月に産業医科大学と共に「職場の健康管理を起点とするサービスを企業と働く人の両方に届けていくこと」を目的とした株式会社産業医大ソリューションズを創設し、同社代表取締役を2006年10月から2016年5月まで務める。

また、日本産業衛生学会指導医、日本内科学会認定内科医、労働衛生コンサルタント等の資格を持ち、EAPコンサルティング普及協会理事でもある亀田氏は、職場の健康確保対策を専門とし、この10年間で、メンタルヘルス等に関する講演、研修の実績は計1,000回以上、参加者は延べ3万人を超える。

その他、主な著書に「管理職のためのメンタルヘルス・マネジメント」、「ゼロから始めるストレスチェック制度導入マニュアル」、「人事担当者のためのメンタルヘルス復職支援~リスクを最小化するためのルールとステップ~」(以上、労務行政研究所)等があり、その他、連載寄稿も多数行っている。

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