セミナー・研修

企業担当者向け

集計・分析の結果から、ヘルシーカンパニー的な改善のスタートを

初年度の実施期限とされた11月末が過ぎました

ストレスチェック制度が一巡し、初年度の実施期限とされた11月末が過ぎました。

 チェックの結果はセルフケアの枠組みで一人ひとりの受検者に返され、厚生労働省のうたう気づきにつながることが期待されています。多忙で仕事を頑張っている人、個人的な悩みを抱えている人の中にはチェックの結果を見て、案外、ストレスの影響を受けているなと気づくことは確かにあるでしょう。

 けれども、職業性ストレス簡易調査票の57項目(簡略版は23項目)の質問に回答する時、受検者は質問された内容を会社や職場が改善してくれるのではないかと、暗に期待すると考えられています。そして、セルフケアの結果が返されるだけという事実に気づくと、結局、形だけの実施だと受検者は感じるようになり、会社や職場に不信感を抱くこともあります。

 こうした傾向はストレス調査を知る職場のメンタルヘルスの専門家は良く知っている事実ですが、集団ごとの集計や分析が努力義務に過ぎないと考えて、おざなりな対応に終始していると、実施する側の責任者(制度担当者)や担当者(実施事務従事者)の人たちは広義のメンタルヘルスの悪化に、足元をすくわれるかもしれません。

「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」の7つのポイント

厚生労働省による「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」では、

  1. 過大あるいは過小な仕事量を避け、仕事量に合わせた作業ペースの調整ができる
  2. 労働者の社会生活に合わせて勤務形態の配慮がなされている
  3. 仕事の役割や責任が明確である
  4. 仕事の将来や昇進・昇級の機会が明確である
  5. 職場でよい人間関係が保たれている
  6. 仕事の意義が明確に、やる気を刺激し、労働者が技術を活用できるデザイン
  7. 職場での意志決定への参加の機会があること

について、米国職業安全保健研究所(NIOSH)が、職場環境等の改善を通じたストレス対策のポイントとして挙げていることを強調しています。
しかし、その方法論としては、ハードルは高く、経営者や管理職の同意が無ければ、進められないものです。

ここに挙げられた7つのポイントは、昨今、経済産業省を中心に様々な取り組みのはじまった従業員の健康管理に投資を行い、収益を向上させようとする健康的な経営、ヘルシーカンパニーの原点とされる、ロバート・ローゼン博士が1991年に著した「The Healthy Company」に記された健康的な経営を実施するモデルと共通していることをご存知でしょうか。

健康的な経営の具体的な施策とは?

この健康的な経営の具体的な施策として経済産業省は「健康経営銘柄」を選定し、投資を推奨したり、東京商工会議所からは「健康経営アドバイザー」資格制度がはじまり、中小企業診断士等への資格取得が推奨されつつあります。その他、政府系銀行による融資による優遇措置等、経済的な側面からのインセンティブの提示が相次いでいます。

健康的な経営も、現場の方法論は丁度、日本では始まったばかりであると考えられます。

各企業等では、ストレスチェックの集団ごとの集計と分析をしっかりと行い、その結果をモニタリングとして活用しながら、広義のメンタルヘルスの向上を地道に目指すことで、改善の意思をまずは従業員に浸透させることから、はじめてみてはいかがでしょうか。

メンタルヘルス対策の第一人者
医師 亀田高志氏とは?

旧労働省により創設された産業医科大学を1991年に卒業後、大手鉄鋼会社や外資系企業の専属産業医、産業医科大学講師等を11年間務める。
その後、2006年10月に産業医科大学と共に「職場の健康管理を起点とするサービスを企業と働く人の両方に届けていくこと」を目的とした株式会社産業医大ソリューションズを創設し、同社代表取締役を2006年10月から2016年5月まで務める。

また、日本産業衛生学会指導医、日本内科学会認定内科医、労働衛生コンサルタント等の資格を持ち、EAPコンサルティング普及協会理事でもある亀田氏は、職場の健康確保対策を専門とし、この10年間で、メンタルヘルス等に関する講演、研修の実績は計1,000回以上、参加者は延べ3万人を超える。

その他、主な著書に「管理職のためのメンタルヘルス・マネジメント」、「ゼロから始めるストレスチェック制度導入マニュアル」、「人事担当者のためのメンタルヘルス復職支援~リスクを最小化するためのルールとステップ~」(以上、労務行政研究所)等があり、その他、連載寄稿も多数行っている。

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