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企業担当者向け

進まない事業場におけるストレスチェック 〜駆け込みでも構わないので早めの実施を!〜

いわば鳴り物入りで義務化された、職場のストレスチェック制度ですが、蓋を開けてみるとその進捗は思わしくないようです。

4.8%に過ぎないと報じられている

9月12日付けの西日本新聞では九州全域の各県の労働局への取材から、50人以上の対象事業所のうち、ストレスチェックを実施し、労働基準監督署に報告がその時点で完了しているのは、4.8%に過ぎないと報じています。

2割しか完了していない

また、9月19日の日本経済新聞では、大手メンタルヘルス相談機関のデータに基づいて、サンプリング調査のデータながら中小企業では7月時点で2割しか完了していないと指摘しています。

加えて毎年8月に事業場の衛生管理者等を対象に中央労働災害防止協会から発行される『労働衛生のしおり』の本年度版でも、初年度の実績データには全く触れられていませんでした。

こうした情報や最近の私の講演や研修に参加くださる方々からの反応から、初年度の実施期限が11月末まで、二ヶ月を切ったにも拘らず、ストレスチェックの実施準備にすら手をかけられない企業、医療機関、介護施設などが全国に多数、残っているのではないかと懸念されます。

新聞報道やこれまでの厚生労働省による情報からはすぐに厳しい指導が入るとは予想しません。しかし、労働安全衛生法によれば、ストレスチェックの実施状況の労働基準監督署への報告を怠ると罰金を課されることになります。

また、働く方々全体にストレスチェックの詳細まてよく知られているとは私は考えませんが、職場ストレスに関する義務すら果そうとしない事業者の姿勢は何らかの形でやる気や忠誠心を削ぐことになるだろうと思います。

さらに万が一、自殺や未遂事例が発生した場合に家族や本人から、職場やストレスの状況を確認するのを怠ったとして、責任を問われてしまう可能性もあります。

まだ未実施だと、不安を感じる方から相談されることもあります。

まだ未実施だと、不安を感じる参加者の方から講演等の後に相談されることもあります。

そのようなご相談には、残り二ヶ月弱であっても、まずは衛生委員会を1回は開催し、健康診断の問診票と同じように情報管理をしっかりとして、ペーパー式で良いから、57個の質問からなる職業性ストレス簡易調査票を配布し、できるだけ回収の努力をしてみましょうと、アドバイスしています。

 企業等から見た場合、医師等の実施者抜きでは、完了しないのが課題ですが、あと50日以上あるのですから、諦めずにチェックを受ける機会を与えようと努力するのが良いのではないでしょうか。

さらに、ストレスチェックを提供する良心的な外部機関であれば、そうした努力をサポートするよう、ペーパー式の実施やウェブやPCとの併用にも前向きな対応をしてくれるはずだと私は考えます。

実施報告の労働基準監督署への報告期限は来年で構わない

厚生労働省の情報によると実施報告の労働基準監督署への報告期限は来年で構わないとされています。

未だに未実施の事業場の方々や関係者の皆様には是非、諦めずにまずは受検機会の提供を目指していきましょう!

メンタルヘルス対策の第一人者
医師 亀田高志氏とは?

旧労働省により創設された産業医科大学を1991年に卒業後、大手鉄鋼会社や外資系企業の専属産業医、産業医科大学講師等を11年間務める。
その後、2006年10月に産業医科大学と共に「職場の健康管理を起点とするサービスを企業と働く人の両方に届けていくこと」を目的とした株式会社産業医大ソリューションズを創設し、同社代表取締役を2006年10月から2016年5月まで務める。

また、日本産業衛生学会指導医、日本内科学会認定内科医、労働衛生コンサルタント等の資格を持ち、EAPコンサルティング普及協会理事でもある亀田氏は、職場の健康確保対策を専門とし、この10年間で、メンタルヘルス等に関する講演、研修の実績は計1,000回以上、参加者は延べ3万人を超える。

その他、主な著書に「管理職のためのメンタルヘルス・マネジメント」、「ゼロから始めるストレスチェック制度導入マニュアル」、「人事担当者のためのメンタルヘルス復職支援~リスクを最小化するためのルールとステップ~」(以上、労務行政研究所)等があり、その他、連載寄稿も多数行っている。

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